ハラスメントを受けた時、会社に報告し対策をお願いするのがセオリーです。
しかし、たいていの場合、会社は貴方を守りません。
下手をすると、無駄に自分の立場を危うくします。
ハラスメントを受けたら、『異動まで我慢』や『会社への報告』は正しい選択でしょうか?
キレイ事ではないハラスメントの実態と自分自身の守り方をお伝えします。
ハラスメントの実態
現在のハラスメント事情についてお話しします。
ハラスメントを受けた人の率
日本労働組合総連合会の「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」の数字です。
職場でハラスメントを受けた事がある人の率(%)は以下のとおり。
年代 | 男性 | 女性 |
20代 | 27.2 | 28.8 |
30代 | 28.0 | 35.2 |
40代 | 42.4 | 34.4 |
50代 | 28.0 | 35.2 |
他の年代、性別関係なく1/4以上の人はハラスメントの被害者を経験しています。
強い立場を利用してするものがハラスメントです。
一番辞めるダメージが大きい40代男性に特に多い事が分かります。
パワハラの対策
日本ではパワハラ防止法を2019年6月(中小企業は2022年4月)から施行しました。
各企業にパワハラ防止委員会を設け、対策の教育等行うよう指示しています。
セクシャルハラスメントやパワーハラスメントの定義や対策も色々な所で見ることができます。
【興味がある方は、別の記事で紹介をしております。興味がある方はご覧ください】
企業の実態
en Japanの調査では、パワハラ防止法を何らかの形で知っている企業が77%ありました。
勿論対策を行っている企業も多いですが、ハラスメントが減ったか?と言うと答えは「No!」
法律が何と言おうと、ハラスメントははなくなりません。
実際は、加害者が罰せられることがないため、ハラスメントが消えることはないのです。
その理由について説明します。
ハラスメントは消えない!被害者が勝てない理由
一般論では、証拠を集めて、会社に通報し、解決を求める事が正解と言われています。
しかし、正直な所、先ほど言った通り、会社は貴方を守らないし、ハラスメントはなくなりません。
理由は以下のとおりです。
順に説明していきます。
証拠が集めにくい
ハラスメントは証拠が集めにくいです。
理由は3つ。
1.マニュアル通りのハラスメントは少ない
2.ハラスメントを受けた時にうまく動けない
3.ハラスメントをする人もしっかり対策を練っている
マニュアル通りのハラスメントは少ない
マニュアル通りのハラスメントは少ないです。
昔は、露骨に怒鳴りつけたり、殴る人もいましたが、今はそんな人ほとんどいません。
ハラスメントは文字に書いてあるほど露骨な例は少なく、判断に困るものが普通。
「これはハラスメント?」と思っている間に事は進むので証拠は集めにくいです。
ハラスメントを受けた時にうまく動けない
私たちはハラスメントを受けた時にうまく動けません。
ハラスメントはいきなり始まるものもありますが、判断が難しい軽いものから始まります。
徐々にエスカレートしていきますが、気づいたころには自分もメンタルがやられている事も多いです。
証拠集めとして最近はレコーダーの録音があるけど、準備できる程冷静に周りは見えません。
だからハラスメントを受けた時に動く事は非常に難しいです。
ハラスメントをする人もしっかり対策を練っている
ハラスメントをする人もしっかり対策を練っています。
昨今のハラスメント教育により何がハラスメントになるかを知っている人が多いです。
特にハラスメントをする人は、皆さんが仕事の技術を磨いている間、人を蹴落とす訓練を積んた人達。
大人の喧嘩のプロです。
悪質な人は、嘘を報告する人も。
上司が加害者である場合は、人事権、評価できる立場なので報告する人がいません。
会社は一般社員より上司の言動を信じるので、嘘も本当に変わります。
そんな人達が、ハラスメントの知識を学んでいるので、証拠は見つけにくく立証しにくいです。
会社は最大限会社を守る
言われてみれば当然ですが、会社は自分をなるべくきれいに見せたいもの。
「ハラスメントの事実はない」事が理想です。
だから会社も実際に行う事は以下のとおり。
1.部門の利益を優先・組織ルールやしがらみを理由に何もしない
2.弁護士に事を終結させるよう依頼する
部門の利益を優先・組織ルールやしがらみを理由に何もしない
会社は会社を守ります。
だから、加害者に地位や権利がある場合、社内の争いを避ける傾向があります。
コンプライアンスや会社からのハラスメントも避けたいのも事実。
会社は警察沙汰になったり、情報が流出したらまずいもの以外は基本的には動きません。
私の経験上、ハラスメントの報告で会社が動いた事はほぼ無いです。
弁護士に事を終結させるよう依頼する
会社は会社を守ります。
だから、加害者が訴えた時、弁護士に頼み会社に損が内容最大限の努力をします。
法律や弁論のプロである優秀な弁護士であれば、多少の物はひっくり返せます。
小さい企業なら別ですが、顧問弁護士のいる会社では争っても「勝ち」はありません。
これが現実です。
そんな中、ハラスメントを受けた私たちがすべき事を解説します。
私たちがハラスメントにあったら行うべきこと
ハラスメントを受けた人が正攻法で会社に対抗することは極めて難しいです。
そんな中行える手段は2つです。
耐える
ハラスメントをする人が移動や退職でいなくなるため、一定耐えればハラスメントの被害は無くなります。
だから耐えて時を待つのも手です。
但し、大きなリスクをはらみます。
社内で「出来ない奴」のレッテルを貼られる
ハラスメントをする側の主張は「できない奴だから指導した」
事実はどうであれ、会社ではこれが正当化されます。
だから、『できない奴』と決め打ちされ、会社が守るべき人の『スケープゴート』として扱われるわけです。
勿論、後々の評価や給与に影響します。
メンタルがやられる
基本的に無条件に嫌がらせを受けます。
耐えるほど、ハラスメントはエスカレートします。
場合によっては、関係ない部門に徐々にマイナスイメージを植え付ける事もあります。
当然、ストレスがが大きくなりメンタルを病むこともあります。
という事で、「耐える」事はあまりお勧めしません。
転職をする
ハラスメントは勝ち目のない戦いです。
途中メンタルを壊す可能性もあります。
早々に辞めてしまうのも有効な手段です。
転職をするメリット
転職をする際メリットは以下のとおり。
〇ハラスメントをする上司から即離れられる
〇会社にとって打撃になる
ハラスメントは人生を壊します。
最近は、転職はそこまで難しくなくなりました。
自分の人生を壊さないためにも有効な手段です。
会社にとって打撃になる…とは?
昨今人手不足と言われる時代、人1名は企業にとって非常に大切。
この1名が辞めると会社は代わりを探すか、人を急激に育てないといけません。
さもなくば、他の人の負荷が増えて退職者の連鎖が始まります。
転職は逃げではありません。
自分の人生を無駄にせず、会社に対しても十分な対抗になります。
転職ははどの年代でもできる対策なの?
できます!
勿論、難易度に差はありますが…。
DODAの調査では転職成功者の割合について以下の結果が出ています。
年代 | 2018年 | 2019年 |
~24歳 | 9.8% | 10.1% |
25歳~29歳 | 38.9% | 39.6% |
30歳~39歳 | 37.5% | 35.9% |
40歳以上 | 13.8% | 14.4% |
20代や30代の方は、そんなに転職は難しくありません。
一方で、40歳以上の方は、簡単で無いようデータでは見受けられます。
しかし、40歳以上の転職を専門に扱うエンミドルでは、2020年求人数は、2019年と比べ116%!
40代以上のミドル層の求人は増えています。
昔と違い転職は可能になりました。
そういわれてもやはり、数字を見ると40代以降では転職が困難!
転職はそもそも難しいので並走してもらう「転職エージェント」が必用!
40代のスキル・経験を重視する経験者に強い転職エージェントがあります。
私たちは経験者に特化したエージェントを使い転職を効率的に行いましょう!
まとめ
この記事では、ハラスメントの対策について記載しました。
ハラスメントの実態として1/4以上の人がハラスメントを受けています。
社会問題として、国も会社も対策を練っていますが、実際ハラスメントはなくなりません。
それは、加害者のハラスメントスキルの高さと弱腰の会社の姿勢があるから。
だから、ハラスメントを受けた時は『戦わず』、『耐えず』、転職活動をすることをお勧めします。
その人に居なくなられる事で会社は戦力ダウンが免れません。
個人としても現在、転職はネガティブな解決方法ではなく、自分の人生を守るため必要な策です。
40を過ぎると転職は難しくなるのは事実ですが転職の案件は増えてきています。
経験者に特化したエージェントを使って効率よく活動をしましょう。
コメント