「人手不足」「採用難」という言葉があふれる今、企業にとって重要なのは“求職者に選ばれる存在”になること。
採用方法を改善するだけでは、優秀な人材には届きません。
そこで今回は、「採用前に磨いておくべき企業の魅力づくり」について、実践的な戦略をご紹介します。
会社としてのアピールポイントを確定する

会社で働くうえで魅力となることを確認します。
採用担当がいくら優秀でも会社のアピールポイントがなければ採用は困難なまま。
アピールポイントを確認しましょう。
確認すべきことは以下の通りです。
〇ミッション・ビジョン・クレド(バリュー)の言語化
〇人事制度
〇教育研修
〇労務制度
〇福利厚生
ミッション・ビジョン・クレド(バリュー)の言語化
会社の文化を言語化したものがミッション・ビジョン・クレド(会社によってはバリュー)です。
採用する側は文化へのマッチは重要視するし、候補者も自分が文化に合うかを確認します。
その際、文化を言語化したミッション・ビジョン・クレドは非常に大きなファクター。
『実力があれば』と思われがちですが、入社後合わない場合の大きな要因は『文化の違い』。
会社の文化にマッチしていないと実力があってもその会社では通用しません。
面接官にとって重要ですが、候補者の立場から会社を選定するにも大きな意味を持ちます。
自分にキャラが合う会社は魅力に映ります。
ミッション・ビジョン・クレド(バリュー)の言語化は会社の魅力付けの根幹です。
人事制度
人事制度も会社の魅力付けには大きな要因です。
人の評価に関係するから。
評価は、給与や賞与に関わることはもちろん、働く人の自己実現にも影響が大きいです。
候補者は給与・仕事内容を中心に会社応募を判断しますが、面接のフェーズでは会社の評価軸が気になるもの。
人事制度の内容は面接でよく聞かれます。
明確な人事制度は候補者に魅力を持たせる一方で、不明確なものは興味を落とします。
人事制度は魅力付けの大きな要因です。
教育制度
教育制度も魅力付けの大きな要因です。
人は成長を求めるため、会社で何がどれだけ成長できるかは興味の中心。
成長を支援できる事を説明できると一気に候補者の興味を引くことができます。
特に教育制度の充実は若い候補者に響きます。
労務制度
労務制度は会社の安全性・働きやすさの指標にされることが多いです。
近年、ワークライフバランスは会社・働く人双方にとって興味の中心。
〇リモートワーク
〇フレックス制度
〇育児休業
〇時間外労働の平均時間
上記の有無で候補者の会社への興味が変わることは近年良くあります。
このような制度の整理は会社の見た目が変わるので整備ができるなら整備を!
福利厚生
実は福利厚生はいう程効果がありません。
カフェテリアプラン、サークル活動、確定拠出年金等あるのですが、候補者や社員の意欲にあまり影響しません。
会社を魅力的に見せる場合、会社は福利厚生を考えがちですが、『あれば書ける』程度のものです。
重点は他のものにおきましょう。
コアとなる社員の対人スキルアップも重要!

社員の対人スキルアップは非常に大切。
選考の過程や入社後の生活でその人が「嫌だ」と思ったら会社から離れます。
今の時代は、その後「SNSへの書き込み」があるため、悪い噂が流れる可能性も。
そのキーとなるのはやはり人!
候補者も社員も対応する「人」を見て判断します。
特に対人スキルが大切になるのは
〇採用する社員
〇管理する社員
〇バックオフィスの社員
採用する社員
どんなに魅力を打ち出しても、面接や選考プロセスで“ガッカリ”されては元も子もありません。
採用担当者のスキルやホスピタリティも、企業の“顔”として重要な要素です。
管理する社員
社員と一番接点が多いのは管理する社員。
組織が大きく接点が少ないとしても、組織の風土を作るのは管理する社員です。
入社した後、職場の人間関係や雰囲気の悪さは社員の不満につながります。
場合によっては「ハラスメント」の問題にも発展しかねません。
社員満足度の低い会社は退職率も高く、SNSから悪い噂が流れるリスクを伴います。
管理する社員は非常に大きなファクターになります。
バックオフィスの社員
バックオフィスの社員は、会社の安心感を担います。
会社のインフラを担うため、一見「あって当たり前」と言う目で見られがちですが、なくなると会社が回りません。
入社時や何かあった際の問い合わせ口としての機能もあるため、社員は困った時に頼ります。
その際、対応が悪いと会社に対する不安につながります。
選ばれる会社になるるために「会社のアピール方法」だけでなく「入ってから」も見据えて社員を育てましょう。
魅力的な企業ブランディングを整える

会社の実際の”ウリ”を整えた後、採用を活動するのですが、第一歩は、企業の“見せ方”を見直すこと。
会社の魅力を表現する仕組みが必要です。
実際、これは社外だけではなく社内でも有効。
社内のメンバーが自社に魅力を持てば、自然と社員1名1名が会社の広告塔になってくれます。
自社の強みやビジョン、文化を明確に打ち出すことで、「ここで働きたい」と感じてもらう土台ができます。
具体的なやり方を紹介します。
働く環境・制度を“見える化”する
「どんな環境で働くのか」「どんな制度があるのか」は求職者の関心が高いポイント。
柔軟な働き方や福利厚生、キャリア支援制度など見える化します。
具体的には以下の制度の実績が確認できると良いでしょう。
〇テレワーク制度やフレックスタイム
〇育児・介護支援制度
テレワークや、育児・介護支援制度等の福利は利用実績がある事で説得力が増し、社員の安心感につながります。
特に近年は、「テレワーク」「育児・介護支援制度」については、国からも施策について指示があるもの。
多くの求職者が興味を持つ項目です。
制度がある事を説明しても、「実績を聞かれる」事も少なく在りません。
実績が話せるように絵に描いた餅で終わらせないことが大切です。
社員を前面に出す
具体的には採用の過程で以下の2つをします。
〇オフィスツアー動画の配信
〇社員のリアルな声を伝える
〇インターン、座談会、リアルな見学会等の実施
これは会社に一定の自信が無いといけない事ですが、社員はいかなる説明より雄弁に魅力を伝えます。
だから、社員の働いている姿を見せたり、社員との接点を持たせることは有効です。
社員も見られることで引き締まり、話すことで会社の魅力を再確認できるので、モチベーションアップにも有効。
会社の魅力を更に強く伝えられます。
注意としては会社のありのままを伝える事。
背伸びをしても、必ず途中でばれます。
だから、等身大で会社のありのままを伝えましょう。
それが、他社との大きな差別化につながります。
案外、欠点と思うことが求職者から見ると魅力に映る事も。
万人受けは狙わず、コアなファンを増やすつもりでいきましょう。
☟等身大の採用のやり方はこちらの記事を参考にしてください☟
まとめ

優秀な人材に選ばれる企業になるには、採用の場だけでなく、「その前」が勝負!
企業の魅力を戦略的に磨き上げ、しっかり発信することで、求職者の「働きたい」を引き出しましょう。
人事制度、教育訓練制度、福利厚生等ターゲットとする人の志向に合わせ、整えるとアプローチの結果ががらりと変わります。
制度を使うのは人、また求職者も人を見て会社のイメージを膨らませます。人の教育は大切です。
最後はアピールポイントの見せ方!ありのままの環境や制度を伝えましょう。
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