最初にはっきりさせておきます。
この記事は、
・海外勤務経験がない
・長期留学もしていない
・日本語環境だけでキャリアを積んできた
そんな40代の方に向けて書いています。
■ 海外経験者とは、前提が違う

海外駐在経験がある方。
長期留学や現地採用の経験がある方。
その場合は、正直話が別です。
彼らはすでに「英語で仕事を回した実績」がある。
会議で発言し、
交渉し、
修正し、
責任を持った経験がある。
外資が見ているのは、
「英語ができるか」ではなく、
「英語で仕事ができるか」。
実績があれば、TOEICは補足資料に過ぎません。
そしてもう一つ。
海外経験者は、24時間その環境で鍛えられてきました。
会議だけではなく、
雑談も、
トラブル対応も、
日常生活も英語。
意識しなくても、毎日が実践です。
一方で、日本にいれば英語を使わなくても仕事は回る。
それは能力の差ではありません。
環境の差です。
だからこそ、同じ土俵に立とうとするなら、人一倍の積み上げが必要になります。
私自身、大手英会話スクールの例文は週に200回音読しました。
短文は暗記しました。
周囲からは「そこまでやるの?」と言われました。
その結果、10段階レベルで下から4番目スタートだった私が、一度も落とさず最上位まで上がることができました。
努力は、結果につながりました。
ただ――
それでも足りませんでした。
■ TOEIC800は最低ライン。本音は900。

よく言われる「TOEIC800が目安」。
日本語環境でキャリアを積んできた40代にとって、
800は一つの通過点です。
ただ、正直に言えば、800で安心はできません。
外資側から見れば、
「基礎はあるかもしれない」という程度です。
そして900。
ここまで来ると、処理能力や英語への耐性は示せます。
でも――
900でも、会話は止まります。
沈黙は起きる。
言葉は出なくなる。
900は十分ではありません。
あくまで、スタートラインに近づいた状態です。
TOEICが測るのは「聞く・読む」の力です。
語彙、文法、聞き取り、処理速度。
基礎処理能力は測れます。
でも、実務では
その場の判断やニュアンスの理解が求められます。
ここはスコアでは分かりません。
■ TOEICと英会話スクールでは、ステージに立てなかった

誤解のないように書きます。
TOEICを取り、スクールでも最上位クラスまで上がった。
でも、外資面接では違いました。
英語面接。
開始6秒で終わりました。
質問に対して、言葉が出ない。
沈黙。
次の瞬間、Zoomを閉じられる。
それで終わりです。
あれだけ積み上げても、
あの6秒で、「自分はまだ外資のステージに立っていない」と理解しました。
悔しいというよりも、
週2回のレッスンでは実戦量が足りなかったと感じました。
■ 言葉が出ない。だから、オンラインを続けた

足りなかったのは知識ではありませんでした。
反応でした。
言葉が出ない。
だから、オンライン英会話を毎日続けました。
平日も休日も。正月も。
目的は流暢さではありません。
止まらないこと。
単語が出る。
沈黙しない。
オンラインで、反射速度は作れます。
■ でも、反射速度だけでは足りない

会話が止まると、相手が親切心で先に言葉を出してくれる。
単語が出ない。
焦る。
なんとなくYesを出す。
話は意図しない方向へ進む。
オンラインでは、失敗しても仕事は動きません。
でも実務は違う。
求められるのは精度です。
・相手の意図を正確に掴む
・曖昧なニュアンスを判断する
・安易にYesと言わない
・ビジネスとしてズレない返答をする
例えば、アメリカ南部出身のCOOが、退職者を引き止めるかどうかの会議でこう言いました。
“He’s food employee”
単語だけ見れば「食べ物屋の従業員」です。
一瞬、意味が取れない。
でも文脈は違った。
その社員は会社の売上を支えている、
いわば「飯の種」。
だから簡単に手放すな、という意味でした。
単語は分かる。
でも意味を外す。
こういう比喩、
こういう省略、
こういう前提共有。
TOEICには出てきません。
一瞬迷う。
反応が遅れる。
会話が止まる。
そして止まった瞬間、評価も止まる。
■ 精度は、外資レベルの環境でしか上がらない

外資に入り、複数の外国人担当を持ちました。
1人では足りません。
相手も忙しい。
毎日練習には付き合ってくれない。
複数いることで、必ずどこかで英語を使う状況が生まれる。
逃げ場がなくなる。
聞き間違えれば条件が変わる。
曖昧にYesと言えば契約がズレる。
この緊張感の中で、
反射速度に精度が乗る。
この精度は、外資レベルの実務で担当を持たなければ到達しません。
オンラインで土台を作る→外資実務で磨く。
この順番でした。
■まとめ: 40代の英語は、覚悟

外資は、あなたの英語力を忖度しません。
会話が止まれば、評価も止まる。
でも――
止まらなくなり、精度が上がれば、戦えます。
40代で外資を目指すなら、
英語は勉強ではありません。
どこまでやるかを決めること。
覚悟です。


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